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SARAH SARAH / Sing Till It Hurts SARAH SARAH / Sing Till It Hurts
 豪メルボルン出身の男女2人すつの4人組、新人ギターポップ・バンドのデビュー・ミニアルバム。男女ツインボーカルで、ブンブン鳴るキーボードの音色がどこか 80s の香りを感じさせる元気なポップロック。ジャングリーなサウンドは、どこかアノラックぽさも感じさせる。ギターポップ・ファンの大好物(笑)パパパ・コーラスが満載の必殺のポップ・チューンの乱れ撃ち。全5曲捨て曲なし。特に1〜3曲目はクラブ・プレイにも対応しそう。ソルティーンズの 1st アルバムが好きな人は気に入ると思うよ。03年3月には豪最大のパワーポップ・フェス Lost Weekend に出演するも、現在は活動休止状態という。ええー!?うむむ、フル・アルバムも期待させる出来なのに…早く活動を再開させて欲しい。このまま解散なんて嫌だからね!

SCOTT FISHER / ST SCOTT FISHER / ST
(2005/Scott Fisher/USA)
 これはスゴイ! まるでベン・フォールズの伴奏で歌うエリオット・スミスみたいじゃないか! オレゴン州ポートランド出身のスコット・フィッシャーなる25歳のピアノマン/シンガーソングライターの 2nd アルバム。ポール・マッカートニー、エミット・ローズ、ヴァン・デューレンなどの70年代の鍵盤をフューチャーしたSSWが好きな人はきっと気に入るんじゃないかな。あと、ベタにビリー・ジョエルとか、意外にもスティーリー・ダンなんかも思い出したりする。ピアノ・ポップ好きは要チェック。内省的なトーンのうたは、ザ・ベンズ期のレディオヘッドやトラヴィス、コールドプレイ、キーンなんかも頭に浮かぶ。まずは M-2 の "Nothing"(涙腺直撃!)と M-4 の "Chemicals"(跳ねる鍵盤とファルセット・ボイスが素敵!)を聴いてみて。こんな歌手がいたのかって、きっと驚くから。ジャケやロゴのポップさに反して音の方は全体的にしっとりした感じです。同性のぼくからしても、彼のうたや声はセクシーでぞくぞくしてしまう。ジャジーなイントロダクションからグッと引き込まれる。アダルトな雰囲気のポップソングをたくさん聴かせてくれますよ。オススメ。

The Scruffs / The Actual Size THE SCRUFFS / The Actual Size
 70年代から活躍するUSのベテラン・バンドではなく、全くの別バンド。オーストラリア出身の4人組の01年のデビュー・アルバム。リリースはスペインのロック・インディアナから。プロデュースは、マイケル・カーペンター。ハードエッジにドラヴィングするギター・フレーズと、胸倉をグッとつかまれるような泣きメロを持ったパワーポップ・バンド。素晴らしい。音の面ではステムズ〜DM3からの影響が強いかな。でも、モッド・テイストもあり、メロディーはUKぽかったりもする。元気一辺倒なだけでなく、メランコリックな曲とかあって幅も広い。全曲良いです。個人的にはM-2の“Can't Believe My Luck”やM-6の“Nobody Slows”なんかキュンと来ていいですねえ。

THE SEA AND CAKE / Oui THE SEA AND CAKE / Oui
 シー・アンド・ケイクといえば、音響系だのシカゴ系だの言われていて、何か難しいもののように感じていて、いままで敬遠していたのです。ところが聴いてみたら、これがソフトロック的な感触の「うた」のアルバム。このアルバムがリリースされた00年、ちょうどミレニアムやカート・ベッチャーのリイシューものに入れ込んでいたのもあって。「おおっ!これって現代のミレニアムじゃん!」なんて思ってしまった。サム・プレコップのソロも聴いてみたくなりました。

SEAFOOD / When Do We Start Fighting... SEAFOOD / When Do We Start Fighting...
 エモはエモーショナル・コアの略であるが、シーフードの音楽こそエモーショナル・コアと呼ぶべきではないのか。僕は、この作品を聴くたびにそう思ってしまう。シーフードはいわゆるエモと呼ばれる他のバンド達とはやや趣を異にするのだが、この作品における「熱さ」っぷりにはそう言わずにはいられないのだ。僕ら聴き手の感情を焚きつけてくれる音楽、これをエモと呼ぶのなら、シーフードこそ紛れも無くエモなのだ。前置きが長くなってしまった。これは、00年リリースの傑作 1st "Surviving The Quiet" に続くの待望の 2nd アルバム。素晴らしい!前作まではソニック・ユースやピクシーズの影響うんぬんが取り沙汰されるギターバンド的な側面が強かったが、今作は疾走系激情ナンバーが大半を占めつつも、後半には新境地のスロー/ミドル・テンポなナンバーが続き(日本盤ボートラの "Boggle" は何とDUBに挑戦!)成長を見せています。

SECOND SATURADAY / Forty-Nine Percent SECOND SATURDAY / Forty-Nine Percent
 エクセレント・レーベルのニュー・リリース・Second Saturday。彼らはナッシュヴィル出身の4人組。デビュー以前はペンドルトーンズと名乗っていたそうだ(もちろん、スウェーデンの同名バンドとは関係ナシ)。これがもう、Silver Sun、Honeyrider、Travoltas、Hawaii Mud Bombers、Aerial系の疾走&美コーラス&サーフ・ポップ&ムーグ炸裂でカッコ良い!モースト・フェイヴァリットにシルヴァー・サンを挙げてるあたり本物といえよう。これは日本盤限定の4曲入りEP。全曲良い。特にM-1のタイトル曲と、M-2の“The Chase”は、夏の突き抜けるような晴天のような明るく爽やかなポップ・チューンでクラブヒット確実!M-4はM-1のペンドルトーンズ時代の別ヴァージョン。一歩間違えばメロディックパンクな闇雲な疾走ぶりがカッチョイイので、こっちのヴァージョンを好んでプレイするDJも多いんじゃないかな。

SECOND SUTARDAY / Greetings From Mount Rockmore SECOND SUTARDAY / Greetings From Mount Rockmore
(2004/Self Label/USA)
 「シルヴァー・サンへのアメリカからの回答」というべき、ナッシュビル出身の4人組サーフ・パワーポップ・バンドの、自主リリースによる5曲入りミニ・アルバム。全曲とも 1st アルバム "Here's The Deal" には未収録の新録音源です。やはり、期待通り素晴らしい。もはやサーフ・ポップうんぬんという文脈には収まらず、普遍的なポップと言ってもいいぐらいのハイ・クオリティーさ。"Forty-Nine Percent" ほどのエッジはないですが、メロディー・コーラス・ハーモニー、いずれにも磨きがかかっています。特に M-1 "Arianna"、それに M-3 "The Fox" は疾走感があってかっこいいフロア対応ナンバー。クラブで大音響で聴きたい!そして静かなイントロから始まり、グッとくるメロディーが素晴らしい M-4 "Drive On" は、本作のベスト・トラックか。M-5 "Stand Off" は、スケールの大きな、感涙モノのバラード・ナンバー。泣きメロはちょっとウイーザーぽい?

SECOND SATURDAY / Here's The Deal SECOND SATURDAY / Here's The Deal
 以前このレビューでもシングルを紹介したナッシュヴィル出身の4人組バンド。02年リリースの 1st アルバムの日本盤がエクセレントから出ました。輸入盤とはジャケ違いですね。スーツ&ネクタイ大写しのオリジナルのジャケもいいですが、ポップアート風のこのアートワークもいいですね。さて、肝心の内容なんですが、これがもうシルヴァーサン・フォロワーな音で最高っス!全編信じられないぐらいハイ・クオリティーの曲が並ぶ。もちろん捨て曲は一切なし。疾走感に溢れる演奏に、キャッチーなメロディー、爽やかなボーカル、美しい3声コーラスが素敵。本家シルヴァーサンに負けないぐらい良い!ムーグも鳴りまくりなので、レンタルズやスナッグ、エリアルがあたりが好きな人も気に入るだろう。サーフ・ポップの大傑作。日本盤のみ先行シングル "Forty-nine Pirsent" も追加収録。全てのギターポップ・パワーポップ・ファンのマスト・アイテム!

The Shazam / Tomorrow The World THE SHAZAM / Tomorrow The World
 ダグ・パウエルやブラッド・ジョーンズとともにナッシュヴィルのパワーポップ・シーンを牽引してきた中堅バンドの3年ぶりの 3rd アルバム。リリースは前作に引き続きノット・レイムから。プロデュースは今回もブラッド・ジョーンズで、骨太でレイドバックした感じのレトロなロックンロールを聴かせる。素晴らしい。作風としては前作“Godspeed The Shazam”の延長線上にあるのかな。実に男気溢れるロックアルバム。しかし、1st の頃のような小気味いいアッパー・チューンや、ミニアルバム“Rev 9”で見せたビートルポップ的な展開もあったらよかったになあ、というのは勿論ファンの勝手な思いではありますが。

THE SHINS / Chutes Too Narrow  THE SHINS / Chutes Too Narrow
 01年にサブ・ポップからリリースされた1stがニュー・ポルノグラファーズなどに激賞され、CMJチャートなどで大ヒットした、ニュー・メキシコはアルバカーキ出身の4人組の2ndアルバム。前作に引き続きサブ・ポップから03年リリース。ぼくはこのアルバムで初めて彼らのサウンドに触れたんだけど、なるほど完成度とヒネクレ度の高いポップ・ソングが並んでいて高評価もうなづけます。1曲目の "Kissing The Lipless" の意表をつくイントロから、10曲目の "Those To Come" まで耳がウキウキ楽しくなるような驚きと快楽に満ちた音が詰まっている。ビーチ・ボーイズ風のメロディー&コーラスを基調として、ネオアコだったりギターポップだったりするギター・サウンド、更にニュー・ウェーヴ風味やUKトラッド・フォーク風味、カントリー風味も加わり、新しいんだけどドコか懐かしいという、言うなればシンズ流というべき独特の雰囲気を湛えている。なになに風という例えは即座に思い浮かばないが、シカゴ系インディー・ロック好きや、スミス、ニック・ドレイク、ベル・アンド・セバスチャン、レフト・バンクあたりが好きな人にもオススメできますね。

SIGUR ROS / Agaetis Byrjun SIGUR ROS / Agaetis Byrjun
 アイルランドのバンド、シガー・ロスの 2nd(リミックス・アルバムを合わせると3枚目)。アイルランド本国では99年にリリースされたものですが、00年のUK発売により、ようやく輸入盤を手に入れることができました。僕も、このアルバムがシガー・ロス初体験。
 シガー・ロスは00年のサマーソニックにも来日してましたね。ぼくは二日目のみ行ったので、残念ながら見ることはできませんでした。後に雑誌でバイオリンのボーゲンでジミー・ペイジみたくギターを演奏する姿を見て、ずっとどんな音か気になっていました。で、聴いたんですが…これが、すんごくイイ。その音楽性をどう説明したらよいのだろう。ゴシック風味アンビエンス・ギター・ロック?サイケデリック?ポスト・ロック?静謐ななかにも、ギターのノイズが支配し、独特のアトモスフィアをたたえている。ストリングスも効果的。コクトー・ツインズとか4ADのバンドを思い起こさせるなぁ。あと、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインも少し。
 普段あまり聴かないタイプの音楽ですが、これは素晴らしい。美しくて最高にエキサイティング。天国行きの一枚。寝る前にかけっぱなしにするとよく眠れそう。

SILVER SCOOTER / The Blue Low SILVER SCOOTER / The Blue Low
 01年の邦盤化にあわせてはじめて買ったシルヴァー・スクーター。以前「US INDIE POP MAP」という本で彼らの 1st "Orlean Parish" が紹介されていてずっと気になってはいたのですが、いままで未聴だったのでした。で、今回ニューアルバムの 3rd "The Blue Low" のリリースに合わせて、過去の 1st & 2nd も初めて日本盤がでるということで、まとめて買ってみました。
 シルスクはエモに分類されるようですが、音の方はもっと広範にインディ・ポップと定義する方がピッタリきますね。1st のころはエモ色が強い曲が多いですが、3rd になるとエモ色はかなり薄くなっています。大傑作の 2nd はエモに埋もれさせておくにはあまりに惜しい激名盤!この 3rd は渋さが増し「うた」が浮き彫りにされていて、これまた良い感じです。ちなみに日本盤のオビラー(オビのコメント)はスーパーカーのナカコーです。どう、気になる?

THE SINKING SHIPS / Out Of Key Harmony THE SINKING SHIPS / Out Of Key Harmony
 ホリデイ・フライヤー/カルフォルニア・オレンジスのメンバーによるコラボレーション・ユニットの 1st。メンバーは、ケイティ・ハーレイをボーカルに、ヴァルナ・ブロック(B)、マット・リヴァイン(G)、マットの双子の兄弟でもあるロス・リヴァイン(D)の4人組。アノラック風味もありつつの正統派インディー・ギターポップを聴かせてくれます。ケイティの心を洗われる伸びやかで透き通ったエンジェル・ヴォイスによって歌われるポップな楽曲の数々は、小春日和のように聴く者の気持ちをウキウキさせます。カルフォルニア・オレンジスに近い感触かな。ちなみに Sinking Ships とは沈没船のこと。

SNOWBLIND / The Falls SNOWBLIND / The Falls
 ウーバーマンやクラッシュランドなどイキのいい新人を発掘することに定評のある(そして簡単にポイすることでも知られる)independienteからのニューカマー。透明感あふれる女性ボーカルと、冬の朝の空気のようなシャキシャキしたアコースティック・ギターのカッティング、ストリングス&ホーンをフューチャーした爽やかなギターポップ・バンド。楽曲の完成度の高さ、ハデ過ぎず地味過ぎずのアレンジの的確さ、バッチリですわ。一聴したときは、ちょっとフレンテ!とか思い出しましたが。あとセント・エティエンヌとかも。特にシングルにもなった "easy girl" 、"slowly" 、"country"の冒頭3曲の流れが素晴らしいですね。捨て曲ナシ!とまでは言わないですが、ぼくは全曲好きです。

THE SOMELOVES / Something Or Other THE SOMELOVES / Something Or Other
 オージー・ギターポップの名盤の再発。以前ギターポップのディスク・ガイド本で見かけて以来ひそかに探していた一枚だけに手に入れられて嬉しい。PSDからの日本盤。DM3結成以前のドム・マリアニと現オレンジ・ハンブル・バンドのダリル・メイザーによるユニット。オリジナル・リリースは90年。プロデュースはヴェルクラ仕事などでお馴染みミッチ・イースター!クリアなギター・ストロークと、UKライクな瑞々しいメロディー、白のジャケに似合う爽やかなポップ・アルバムとなっております。買っとけ。

SPACE KELLY / S.K.F.C. SPACE KELLY / S.K.F.C.
 ドイツはベルリン在住、日独ハーフのナイスガイ、Ken Vorschlug 、またの名を Space Kelly。セルフタイトルの傑作 1st アルバムから2年ぶりとなる 2nd アルバムです。先行の "Schuss, Aus und Vorbi" は、キラキラ・ギターフレーズにパパパ・コーラスも気持ちいい王道ギターポップ・アンセムで、個人的には02年度のベスト・シングル。なので、アルバムは期待して待っていたのですが、これがもう期待を上回るパーペキな出来。某タワレコのポップには「5年に一度の名盤の誕生!」なんて大げさに書かれていて(笑)、僕はそこまでは言わないですけど、これは(日ごろ肩身の狭い思いをしている)ギターポップ音楽の復権を高らかに宣言する作品だと思う。とにかく1曲1曲の粒立ちが、前作よりも断然に良い。とにかく捨て曲なし。M-1は軽快なギターのカッティング、メロディー&コーラスワーク、間奏でのホーンが実に気持ちいい。シンプルなバッキングで素朴に聴かせるM-2、必殺ギタポ・アンセムM-3、ビーチボーイズぽいピアノ伴奏のM-4、心を優しく撫でるようなデュエット・ナンバーM-5、80sぽい雰囲気がイカすM-6、新境地のボッサ・アレンジがいい感じM-7、軽快で幸福なヴァイヴで溢れるM-8(歌詞がいいやね)、しっとりとした弾き語りナンバーM-9には涙腺ウルウル、M-10はアカペラで締め。

SPACE KELLY / Space Kelly SPACE KELLY / Space Kelly

SPARKWOOD / Jalopy Pop !!! SPARKWOOD / Jalopy Pop !!!
(2005/Sparkwood/USA)
 05年度ベストワン候補の作品の登場。テキサス州オースティン出身の4人組バンドの 2nd アルバム。これはバンド自身による自主リリースのようだ。ビートルズ、ジェリーフィッシュ、ELO、クイーン、ベン・フォールズを思わせる極上のメロディと美しいハーモニーにただただ唸らされます。かといって密室的なものは全く感じさせません。どこか人懐っこいというか、これはオースティンという土地柄かしらん。コンセプト・アルバム的なつくりで、アルバム1枚全13トラックで大きなひとつのストーリーを形作っている。良いコンセプト・アルバムの定理で、「1曲1曲のピースが全てシングルになりそうなくらい飛び切りポップ」というのがあるが、このアルバムもその例に漏れない。新古典派とでも呼びたくなるような、いにしえのポップマナーに沿った懐かしくも新しい極上のポップ・チューンが並ぶ。曲によってはヴェルクラやポウジーズみたいなアッパーなチューン(M-11)もあったりしてグッときます。パワポ好きは迷わず買っときましょう。ギタポ好きやピュア・ポップ好きの方も是非。ちなみに1作目の "La La Crutch" (2000)も今作に負けず劣らず大傑作。まったく言葉を失うような素晴らしい才能だ!

SPEARMINT / Oklahoma! SPEARMINT / Oklahoma!
 1st と 2nd の間にリリースされたスペアミントの企画アルバム。クリスマスがテーマのコンセプト・アルバムみたいです。1st のダンサブルなノリを期待するとハズされますが、これはこれで佳曲の詰まったいいアルバムです。

THE SPECIAL GOODNESS / Land Air Sea (Epitaph)  THE SPECIAL GOODNESS / Land Air Sea (Epitaph)
 ウイーザーのドラムメガネこと、パトリック・ウィルソンのユニット THE SPECIAL GOODNESS (ソロ 1st のタイトルがそのままユニット名になったのね)の昨年 N.O.S. からリリースされた 3rd アルバム "Land Air Sea" が、パンク系の名門メジャーレーベル・エピタフ(!)より再発されました。しかもジャケを新装、曲順を入れ替え、ミックスもやり直していて、これが実に良い感じなんですよ。去年オリジナル・ヴァージョンが出た時は印象薄くてスルーしちゃったけど、このエピタフ盤はグッド。最近の(ウイーザーにおける)クオモ作品には薄れつつある泣きメロの要素が、このパトリック作には息づいています。パワポ好きやエモ好きはもちろんギタポ好き(ジャケもかわいくなったし!)にもオススメ。

SPEEDER / Karma Kids SPEEDER / Karma Kids
 BMX bandetsのドラマーで、シューシャイン・レーベルのオーナーでもあるフランシス・マクドナルドが参加しているバンドの 1st 。そういえば、フランシスはTFCの初代ドラマーで、00年以降は脱退したポール・クィンの穴を埋めるべくTFCのサポート・ドラマーを務めてましたね。とにかく、グラスゴーのギターポップ・バンドのお家芸ともいえる、疾走感の溢れるじゃかじゃかギター・コードストロークに、青く甘酸っぱいメロディーが良い。"Thirteen" 〜 "Grand Prix" 期のTFCや、SPEEDBOAT とか好きな人にオススメ。

SPLITSVILLE / Incorporated SPLITSVILLE / Incorporated
 ボルチモアの人気パワポ・バンドの5作目。03年リリース。これは日本盤。輸入盤とはジャケ違いで、なおかつ3曲のボーナス・トラック付き。ちなみにボートラの内訳は、2曲がデモで1曲がTFCの "Tears Are Cool" のカバー(えらい渋い選曲やな)。さて、肝心の内容なんですが、言うまでもなくスンバラシイ!期待を軽く上回る快作。かつて在籍していたビック・ディールの頃のようなパンキッシュな疾走チューンと、前作 "The Complete Pet Soul" で見せた完成度の高いサウンド・メイキングの融合と言えばいいだろうか。まずアッパーな M-2 "Brink" や M-9 "Trouble" に耳を奪われるが、今までのスプリッツヴィルになかったヘヴィー&グルーヴィなナンバー M-3 "Heart Attack" に驚かされる。彼らは間違いなく進化(深化)しているのだ。完全に変わってしまったの?いやいや、安心して下さい。他の曲では彼ららしいメロディーとコーラスを聴かせてくれます。しかし、今回の歌詞カードを読むと意外にヘヴィー…というか深いことを歌ってるんだなあ。曲調もあいまってそういう印象だけでは決してないんだけど、後半のミドル・テンポの曲では顕著だ。そういう意味ではアーティスティックで大人なアルバムでもある。

SPLITSVILLE / The Complete Pet Soul SPLITSVILLE / The Complete Pet Soul
 彼らのことは全然知らなかったのですが、いままでに 2枚アルバムを出している模様(ライナー情報)。この "Pet Soul" は 98年に行われたポップトピア・フェスティバルで配られたEPだそうだ。そのEP収録の4曲に新たに新曲7曲をレコーディングして追加したのが、この "The Complete Pet Soul" だそう。題名からお察し通り。ビーチボーイズの「ペット・サウンズ」とビートルズの「ラバー・ソウル」から触発された企画アルバム。ビートルズ色より、ビーチボーズ色の方がやや強いです。パワーポップなのかな、これは。ジェリーフィッシュとかが好きな人なら凄く気に入ると思うよ。

STARBELLY / Everyone And Then Some STARBELLY / Everyone And Then Some
 02年初頭にリリースされたノット・レイムの6周年コンピ「Six Years Of Powerpop」に収録されていた彼らの "Mother Of Pearl"を気に入ってて、ようやくアルバム(これは2ndらしい)を手に入れました。TFCライクの伸びやかなメロディー&コーラスを聴かせるグッド・バンドです。新人らしからぬ落ち着きもあって、パワーポップというよりは、ビートルズ後期のサウンドや、アメリカン・ロック的な風情を感じさせますね。完成度高し。ポップ・ファン必聴の一枚。

Starclock / Starclock STARCLOCK / Starclock
 パワーポップ版XTC?古典的なグッド・メロディー奏でつつも、一方でヒネりが利いたアクロバチックなポップ・チューンを聴かせるテネシー州 Murfeesboro のバンドの 1st アルバム。リリースはクロックロックという無名のレーベルから。おそらくバンド自身によるインディペンデント・レーベルと思われる。メンバーはソングライターで B&Vo の Chris Bradley と二人のギタリスト、ライブでは更にサポートでドラマーが加わるという編成らしいが、実質は Chris ひとりのユニットだという。何といっても2曲目の“Glasses”が涙が出るほどの大名曲。この曲を聴くためだけでも買う価値アリ。もちろん他の曲もいいですよ。ちょっとクセが強いので好き嫌いが別れると思いますが、素晴らしいポップ・ナンバー(ファンク風味も…)ばかりです。XTCやTMBGなどヒネクレ・ポップが好きな方は気に入るでしょう。

 STAR COLLECTOR / Flash-Arrows & The Money Shot STAR COLLECTOR / Flash-Arrows & The Money Shot
 カナダ出身の4人組パワーポッパーの03年リリースの 3作目。01年の 2nd "Black-Eyed Soul" 発売の後、一時解散が伝えられていたが、この素晴らしい作品を携えてシーンにカンバックしてきた。その間にもポール・マッカートニー・トリビュートで "My Brave Face" のグッド・カバーを披露し健在をアピール(ぼくが彼らの存在を知ったのは、実はこのトリビュート盤ででした)。ハードエッジなギター・サウンドに、70's風味の骨のあるメロディー&コーラス・ハーモニーがグー!スローンやポウジーズ、コットン・メイザー、ムーズ・フォー・モダンズ、フラシュシング・ライツ といったパワーポップ・バンドから、フーやジャム、オアシスなどのブリティシュ・ビート・バンド好きまで激マスト!プロデュースは元 GRAPES OF WRATH のフロントマンだった Kevin Kane(シンガーの Vic Wayne との共同)です。

STARKY / Mirror, Signal, Manoeuvre STARKY / Mirror, Signal, Manoeuvre
 オーストラリアのポップ・フェス LOST WEEKEND 2003 のコンピレーションCDの1曲目に収録されていた激ヤバ疾走チューン "That's How I'll Know You" にブッ飛ばされて以来心待ちにしていた、シドニー出身の4人組の 1st アルバム。プロデュースはオーストラリアのパンク・レジェンド RADIO BIRDMAN のフロントマン、ロブ・ヤンガー。インナースリーブに "This Album Is Best Heard Loud." とあるように、これでもかとハイエナジーかつエモーショナル・チューンが並ぶ。くぅ〜燃える!かっこいいぜ!親しみやすく即シンガロング可能な強力なメロディーライン、最高のフックを持ったギター・リフ、鼻にかかったようなそれでいて明瞭で力強い歌声、腰の据わったベースライン、手数も多くドライブ感あふれるドラミング。ちょっとカレージ色もあり、さながらビルドアップしたミジェットがストロークスの曲を演奏しているようでもある。泣きメロ具合も実にいい感じ。激オススメ。03年度の「元気が出るロック」大賞はこのアルバムに決まりでしょう!

STARS / Nightsong LP STARS / Nightsong LP
 これは気持ちいい!エレ・ポップというか、まんまセント・エチエンヌですね。あるいはハウスに傾倒してからの EBTG といったところ。打ち込みもギタポにありがちなベタなピコピコでなく、実に洗練されています。まさにタイトル通り、オサレな夜のサウンドトラック。気持ちいい。たぶん、このバンドを一躍有名にしたのは4曲目のスミス(青春!)の "This Charming Man" のカバーではないでしょうか。

STEPHEN MALKMUS / Stephen Malkmus STEPHEN MALKMUS / Stephen Malkmus
 元ペイヴメントのスティーヴ・マルクマスの 1st ソロ・アルバム。かつての「クールキッド・レイン」の頃のペイヴメントを期待すると、大きくハズしてしまいします。音は完全に前作「テラー・トワイライト」延長線上にあります。つまりは「うた心」路線ですね。ジャケが70年代のSSWぽいですが、音の方もそのようなたたずまいです。とはいえロックぽいサウンドも多いし、昔のペイヴメントを彷彿とさせる変態っぽいギターフレーズ&コード進行も時折顔を見せますし、ペイヴメントの新作と言っても通用するかも。曲の粒は「テラー・トワイライト」には劣るかもしれないけど、つまらないということはない。特に「テラー・トワイライト」の路線に肯定的な方(僕もそう)は大満足すると思います。オススメ。
 しかし、こんなにスティーヴ・マクルマスの声が、メロディーが、僕らの心を震わせるようになるとは思いませんでした。昔は、そのサウンドの方にどうしても耳がいってしまいましたし、スティーヴのボーカルもヘナチョコでしたから(笑)。でも、いまはこの声がすごく愛おしいし、聴いていると勇気づけられるんですよね。

SUGARCULT / Start Static SUGARCULT / Start Static
 モッド+パワーポップな新人ポップパンク・バンドの1st。特に2曲目の“Stuck In America”がかなりのバースト・チューンでGood!クラブでかかれば盛り上がること必至でしょう。

SUNBEAMS / Break The Wall SUNBEAMS / Break The Wall (CD-R)
 シルヴァーサンへの日本からの返答、というべき3人組フロム神戸。これは彼らの 2nd EP で、3曲入り。今まで Lolas のジャパン・ツアーCDや Wizzard Brew のコンピへ楽曲を提供してきたが、03年リリースのこのシングルでひとつ突き抜けた感があります。全曲ヤバい。表題曲の M-1 "Break The Wall" は全ての疾走系ギターポップ好きを吹き飛ばすバースト・ナンバー。この曲だけでも「買い」。03年秋に出た POPBOOMRRANG のコンピにも収録されてました(クレジットは "Game" となってますが、これは誤り)。腰の据わったロック・グルーヴとキャッチーなメロディーがカッコいいM-2 "Beer Song" や、これまた疾走感あふれる演奏に、フックのある歌メロがグッドな M-3 "Game" もグー。日本語で歌う洋楽スタイルのバンドにありがちなアラッとズッコケル瞬間がないのもいい。むしろ、へたれな恋愛ソングが実にいい感じなのだ。ライブも2度見ましたがカッコいいですよ!

The Sunday Drivers THE SUNDAY DRIVERS / The Sunday Drivers
 スペインのノット・レイムこと(笑)ロック・インディアナから、またもやTFCライクなバンドが登場。甘酸っぱいメロディーを聴かせつつも、他のTFCフォロワーよりも全体的にちょっぴり渋目で、70年代のアメリカン・バンドぽさも感じます。ほんのり男気。実に良いバンドです。

SUNDAY'S BEST / The Calfornian SUNDAY'S BEST / The Calfornian
 あちこちで話題のエモ・バンドの2nd。TFC〜ヴェルクラ好きもハマるはず!

スーパーカー / スリーアウトチェンジ スーパーカー / スリーアウトチェンジ
 ラウドなギターの音圧、ポップなメロディー、甘酸っぱい歌詞…全てが最高。100%日本語歌詞による、ギターポップの超名盤。普段は邦楽なんて聴かないよという洋楽ファンにこそ聴いて欲しい作品です。僕の涙腺刺激アルバム(笑)大のお気に入りです。これを聴いている瞬間は、いつだって夢見る十代の少年に戻ってしまう。もどかしい恋の行方に、胸を痛めていたあの頃の切ない気持ちが蘇ってきます。ダイナソーJr.、ジーザス・アンド・メリーチェイン、マイ・ブラッディー・バレンタイン、ライド…スーパーカーを聴いていると、そんなバンドの名前が浮かんできます。けれど、彼らは決してそれら偉大な先達のコピーやパロディーにはなり下がることなく、同じ地平で勝負している。とにかく1曲1曲の完成度が恐ろしく高い。そして、そのメロディーは僕らの心をわしづかみにして離さない。きゅん。僕は10年後だって、このCDを聴きつづけるだろう。もしかしたら、20年後、30年後だって。そうだ、少年の心さえ失わなければ。うん。

SUPERCHUNK / Here's To Shutting Up SUPERCHUNK / Here's To Shutting Up
 チャペルヒルの良心、スーパーチャンクの通算8枚目。待ちに待った作品です。とはいえ、僕は前作の "Come Pick Me Up" からのにわかファンなのですが。ジム・オルークのプロデュースによる前作もとんでもない名盤でしたが、今作もさらに凄い!頭から最後まで、「うた心」爆発の名曲ばかり。前作に比べ音の意匠はオーソドックスになったぶん、「うた」のポップさが引き立つという好結果となった。彼らの持ち味でもある疾走系ナンバーも配し、大充実のアルバムとなっています。間違いなく、現在のところ、彼らの最高傑作でしょう!

Superscope / Torpedo SUPERSCOPE / Torpedo
 オーストラリアはパース出身の3人組。デビューシングルではDM3のドン・マリオニが、シングル“Lizzie”ではポウジーズのケン・ストリングフェローがプロデュースするなど話題の、新世代パワーポップ・バンドのデビュー・アルバム。これがマジでヤバい!どキャッチーで甘酸っぱいメロディーと、DM3直系のザクザクと切れ味鋭いアグレッシブなギターサウンドがシビれるぐらいカッコイイ。ハードなだけでなく、4曲目の“Take It Or Leave”のようなスウィートなポップ・ナンバーもあり懐が深い。パワーポップ好き、ギターポップ好きはマスト!

SWAG / catch-all SWAG / catch-all
 SWAG の1st にして唯一のアルバム。メンバーはチープ・トリック、ウィルコ、マヴェリックス、シックス・ペンス・ノン・ザ・リッチャー、ダグ・パウエルなどなど、いわばナッシュヴィル・シーンのスーパー・バンド。これが、とんでもなく素晴らしい。音は60〜70年代のレトロなロックをべースに、ソフトロック風な味付けも施した、まさに「POP!」としか言いようがないレコードです。ここには、確かにポップの魔法があります。往年の名盤に負けないような…派手さはないのだけれども、間違いなく10年後も愛聴するであろう一枚。プロデュースは、パワーポップの名匠ブラッド・ジョーンズ。ギャリゴウズでお馴染み、スペインのヒューストン・パーティーからのリリース。

THE SWIFT / The Swift THE SWIFT / The Swift
 ノースキャロライナ出身の4人組のデビュー・アルバム。ベン・フォールズ・ファイブ・タイプの、ピアノをベースにした軽快なポップロックを聴かせる。これがなかなか素晴らしい。思わずスキップでもしたくなるような軽快なピアノのコード・バッキングに乗って、輪郭のくっきりした力強いメロディーが心地よい。45s やペンデルトーンズなど、鍵盤ロック好きに激オススメ。さて、彼らのオフィシャル・サイトのバイオグラフィーの読んでいたら、やたらとキリスト教とかクリスチャン・ミュージックとか、そういう言葉が頻出してて???なのだが、そういう信心深い系バンドなんだろうか。